外壁の種類によって塗り替えるタイミングは違います

だいたい10年って聞くけど、本当にぴったり10年?

外壁塗装は住宅を長持ちさせるためのものですが、「塗り替えをどれくらいのタイミングで行ったらいいのか」というご相談をよく受けます。
まるで一大事であるかのように些細なことを訪問販売などで言われ、驚いて契約してしまう、といった例もあります。
特に、詳しく外壁の状況も確かめずに契約を勧めてくるような業者は要注意です。
代表的な外壁の塗り替えのタイミングについて、ご紹介します。
正しい知識を持って、しっかりと判断するための一助として下さい。

塗り替えの目安は一般的に約10年

特徴 モルタルの厚みが約10mm程度でヒビ割れが起きやすい。
注意点 【ヘアークラック】
ヘアークラック(ヒビ割れが髪の毛ほどの細いもの)が少々見付かっても、殆ど問題ないが、悪質業者などはこれを大袈裟に表現したりするので注意が必要。
【大きなヒビ割れ】
家の躯体に問題が発生している可能性がるので、段差のついた大きなヒビ割れは要注意。専門家に見てもらうのが良い。

適切な塗料

透湿系防水塗料がモルタル壁には適しています。
家の中の湿気は外に逃し、雨水の浸入は防ぐという特徴があります。

アルミサイディング

塗装をせずに、アルミサイディングを張る人もいます。
アルミサイディングには、見た目がきれい、断熱、軽量、防音、などのメリットがありますが、
塗装に比べると格段に費用が掛かりますし、塗り替えの必要性も将来的に出てきます。

窯業系サイディング壁(圧縮パルプ繊維)

8年を過ぎたら迷わず塗り替えを

特徴 約8年が塗り替えの目安。セメント系の主成分のため、水を本来吸い込みやすい。
注意点 【チョーキング】
工場出荷時の塗装がアクリル樹脂系の為、紫外線等の影響で劣化し粉状(チョーキング)になると、著しく耐候性、防水性が低下するため、塗り替えがすぐに必要。
【浸水】
塗装処理がサイディングボードの側面にはされていない。釘止めしているところやつなぎのコーキング部からの浸水の可能性がある。
【反り返り】
水をサイディングボードが吸い始めると、反り返り始める。こうなると、手段が全面張替えという方法しかなくなる。
【割れ】
釘止めの位置から割れることも、施工が上手くいってないと起きる。コーキング部は露出しているので、劣化し易いため注意。

メンテナンス不要だと、サイディングの発売当初は考えられていました。
ですが、外壁が反り返るトラブルが5年を過ぎた頃から出るようになり、カタログにも現在では塗装の必要性が明記されるようになってきています。

カラーベスト屋根(コロニアル)

塗り替えは5年を目安に検討

もっとも多く現在使われている屋根が、カラーベスト屋根。
弊社にもよくご相談があります。
普段から壁はよく見えますが、あまり見えないのが屋根です。ぜひチェックしてみてください!

特徴 下に敷いている防水シート(ルーフィング)の保護が、本来のカラーベスト屋根の役割です。
注意点 【コケ・変色】
5年を過ぎると、表面の化粧層が劣化して吸水を始めることがあり、コケが生えたり、白くなったりする。進行すると、割れたり反ったりする。
【反り】
15年くらい無塗装のまま過ぎると、反りが酷くなり、塗装も出来なくなる可能性がある。
【葺き替え】
塗装を一度もせずに葺き替えを選択する場合も。しかし、傷むまでとことん使って葺き替えるのは大きなリスクが生じ、費用もかさむ。

カラーベスト屋根塗り替え時の注意点

「縁切り」という、瓦の重ね目に詰まった塗料を取り去る工程が、塗装時には不可欠です。
これは、毛細管現象による吸い上げを防止したり、温度変化による伸縮から劣化を防いだり、通気性を確保するためのものです。

この作業を怠ると下地が腐朽し、漏水に繋がるおそれがあります。タスペーサーという材料を、最近では挿入することもあります。

タスペーサーとは?

タスペーサーは、屋根の塗り替え時に縁切りで使用する部材です。
屋根の重なった部分がタスペーサーを取り付けることで塗料で塞がれるため、野地板の腐食や雨漏りを防止出来ます。

葺き替えの方法は2種類

2種類、葺き替えの方法にはあり、塗装と比較するといずれも費用は高額になってきます。

方法1 瓦をカラーベストの上に被せる工法
金属屋根が多い。
方法2 既存のカラーベストを撤去し、新たに瓦をのせる工法
アスベストが含まれている可能性が、平成16年以前のカラーベストにはあるため、撤去費用の問題が発生することがある。